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大磯町『万台こゆるぎの森』有効活用で大学キャンパスに 出入り自由の公園型 町民利活用を推進へ 大磯町の三好正則町長は5月28日、同町『万台こゆるぎの森』の整備活用と緑地保全を図る民間事業者として、星槎(せいさ)グループ 学校法人国際学園を選定したと発表した。 星槎大学大磯キャンパスや星槎中学校湘南分教室として用いられるが、町民をはじめ来訪者が自由に出入り・散策できる公園スタイルのキャンパスとなり、さまざまな交流事業や施設利用によって町民の生涯学習の場とする計画。 全敷地・50年間の定期借地権を設定。同町では年間約1000万円の土地賃貸料を確保したいとする。 キャンパスの開設は来年(平成21年)4月を予定する。 大磯町の『万台こゆるぎの森』は国府本郷の丘陵地に広がり、敷地面積8万8211�F(約2万6684坪 東京ドームの約1・9倍)。昭和31年にカソリック・マリア修道会が用地購入し修道院・修練院が建てられ、昭和48年から平成9年までは野村證券研修所として利用された。 平成15年に所有者の野村土地建物が敷地の4割と建物を大磯町に寄贈し、残る6割を同町が約2億円で購入した。平成17年に『万台こゆるぎの森』と名づけられ、現在、月曜を除く午前9時~午後4時に一般開放している。 だが、町財政にとっては約2000万円の固定資産税が入らなくなったと同時に、維持費として年間約600万円以上を歳出。現地へのアクセスもやや不便なことから利用者数が多いとは言い難かった。 同町では有効活用策として民間活力の導入を決め、平成18年策定の『万台こゆるぎの森基本計画』に基づき、緑の保全と住民利用を条件に民間事業者を募ったもの。2団体から応募があり、学校法人国際学園の提案を選定した。 学校法人国際学園は星槎(せいさ)グループに属し、幼稚園、中・高等学校、福祉専門校、大学を運営。事務所は横浜市にある。 中学・高校は神奈川県の教育特化校に認可され、不登校・自閉症・LD(学習障害)傾向のある子どもたちの学びと居場所づくりに取り組んでいる。 星槎大は、幅広い年代を対象にした通信制大学で...る。 町民利用では、大磯町策定の基本計画に沿って《幅広い世代が集い、遊びと体験を通して交流する場》をコンセプトに、公開講座、陶芸、体験農園、野鳥観察、キャンプ、スポーツ等々を企画。諸施設の利用に対応する予約システムも作る予定。公園スタイルのキャンパスで出入りも自由。 竹林ボランティアなど、これまで町民が実施してきた諸活動やイベントについては「選定されたばかりで個々の活動を掌握できていないが、継続の方向でグループの方々と話し合いを持ちたい」(担当者)。 また、アクセス道(通称マリア道)の拡幅に関しても大学側で整備する意向で県の許認可を待っている。最寄りバス停から、大磯運動公園、こゆるぎの森へと通じる道は、車1台が通れる幅しかなく、拡幅整備が重要課題であったが、整備に4億円以上かかることが町財政の足かせとなっていたため、町側ではこの申し出を歓迎している。 町有地の有効活用を公約の一つに挙げていた三好町長は「願っていた以上の内容。この小さな町に大学まで揃い、経済効果も期待できる。隣接する大磯運動公園や大磯城山公園との調和をとり、子どもからお年寄りまで気軽に集うことができる場所にする」。 星槎の生みの親で同グループ会長の宮澤保夫氏は、本紙取材に次のようにコメントしている。 「今回、私たちの提案を選定いただいたことを大磯町に大変感謝しています。星槎の提案趣旨は《学校の中に街がある》。街の中に学校はどこでもあるが、そうではなく《学校の中に街がある》こと。子どもたちを中心に地域と保護者と学校がガッチリとチームワークを組み、たくさんの人たちが関わり合いを持つことによって子どもたちの将来を考える。また、そんな考えができる人を育てる。地域と学校が日常を共有することで成しえるのではないかと考えています。 大磯キャンパスは、地域の方にたくさん利用していただき、大人もがんばっているんだぞ…というところを見せたいですね。その結果、星槎の学校の必要性を認識していただき、大磯町にたくさんの学習意欲のある方が集まり、《教育の街 大磯》を全国に向けて発信していきたいと思います」。『万台こゆるぎの森』の中心部に位置し、ノアの箱船を模したとされる修道院時代の建物。現在は封鎖されているが、リフォームして大学の教室等に使われる予定。2008記事バックナンバーBACK