まだ夜も明けきらぬ早朝の薄明かりの中、その巨大な廃墟は姿を現した。ここに訪れる者がもはや誰もいないことを、滑らかな雪の表面が私に教えてくれている。エントランスからロビーへ。ホテル内を満たす異様な静けさが、身を切るような空気をより一層冷たくしている。ふと外に何者

中でも一番かっこよかった森に囲まれてたたずむ白樺湖グランドホテル看板にはディスコ&スナックの文字。本日は、良いお部屋がございます。と書きこんでしまってるところに自信のあらわれ。

左の写真が「白樺湖グランドホテル」、右の写真は・・・旅館名忘れましたが、結構立地面でいい場所にあった旅館でした。特に白樺湖グランドホテルには、入り口近くまで行って見てみました。自動ドアには数枚の電気代の請求書が置きっぱなしだったのですが、日付が平成16年となっ

別名SGホテル。バブル期に建てられたもので、様々な施設を兼ね備えた大規模ホテルだった。2000年頃まで開業していたらしい。一歩入ると一面の廃世界。シャンデリアから解き放たれた蝶。ほんの一瞬だけ、自由に宙を舞った。時間は止まったまま。否。ここだけの時間が流れている。活気のある声は消えてしまった。静かに眠るダルマ。

其の白く清楚な麗しき風貌からは想像も出来ない程の纏わり付く様な悍しき闇と腐り堕ち行く凄惨なまでの荒廃に塗れた、俗人には耐え難く、常人の精神を蝕み恐怖させるであろう頽廃の館。美しき者は醜き者。此れは人と同じ。美の内側に、多量の黴と黴菌と塵芥に満ちた醜悪極まる闇を孕んだグロテスクの坩堝。腐敗の女神。白樺に隠されたカタストロフィ。現役かと見紛う程の状態を保っている部分も未だ在るが肉体的にも精神的にも不衛生の極みである事は間違い無い、最悪にして至高の廃墟美を宿す、此れが廃墟・白樺湖グランドホテルである。

別名SGホテル。バブル期に建てられたもので、様々な施設を兼ね備えた大規模ホテルだった。2000年頃まで開業していたらしい。一歩入ると一面の廃世界。シャンデリアから解き放たれた蝶。ほんの一瞬だけ、自由に宙を舞った。時間は止まったまま。