井出鋮診療所 概要・歴史
亀井南冥の医訓が残る
井出鋮診療所は三重県亀山市の鍼灸院。亀山駅近くに位置する。
鍼灸院としては大型の鉄筋3階建て建物で、正確な開院時期は不明だが、建物は1970年頃に設置されている。
電話帳では1999年に「井出はり治療所」「宝来軒アパート」、1997年と2001年に「宝来軒」、1997~2016年に個人名で記載がある。診療所としては2000年前後頃に閉院したらしい。当物件が鍼灸病院にしては大きいのは、1階部分は病院で2階以上は共同住宅「宝来軒アパート」だったと考えられる。
「鍼灸師学校の学生寮だった」との言及もあるが、真偽ははっきりしない。
2013年時点で建物に蔦が這っており、長らく診療している様子がない。
2023年4月時点で、大規模な損壊等は見られないものの建物全体に蔦が纏い付き朽ちた様相となっている。建物上部には看板跡の枠が残っている。また敷地内には「井出鋮診療所」の看板跡がある。
建物外壁には「医者意也/意生於学/方無今古/要期平治」の四言四句が残されている。これは江戸時代の医師・亀井南冥(かめいなんめい)の医訓で、「医は意なり」医というものは心にわきまえることである、「意は学より生ず」心にわきまえるのは学問をすること、「方に今古なく」治療方には今も古いもない、「要は平治を期す」重 要 なことは安全に治すことである、という教えである。
2024年8月時点で現存する。
2023-04-17
2024-10-04