勝山遊園地と安房勝山竜宮城水族館 概要・歴史
勝山遊園地と安房勝山竜宮城水族館は千葉県安房郡鋸南町にあった行楽施設。
当地での観光開発は平田未喜三氏により1935(昭和10)年頃に勝山沖の浮島に作られた施設を端緒とし、続いて対岸にスポーツランドやこの安房勝山竜宮城水族館が作られた。なお平田未喜三氏は勝山町観光協会会長を勤め、俳優として映画「蟹工船」(1953年)の船長役を演じさらにその後は鋸南町長となり、テレビのワイドショー等に出演している。
1953(昭和28)年、東海汽船(株)が平田氏と共同ヘルスセンター「頼朝荘」や勝山遊園地、安房勝山竜宮城水族館を開設、一大観光拠点とした。勝山遊園地には観覧車やお猿の電車が設置され、また大黒山に上がるエレベーターがあったという。「頼朝荘」の名称は、当地に源頼朝の上陸伝説が残ることに由来する。
安房勝山竜宮城水族館は大黒山海蝕洞窟に造られた水族館で、竜宮城のようなユニークな建物があり、定置網にかかった珍しい魚を鑑賞用として飼育していた。なお、大黒山海蝕洞窟は古墳時代後期の人骨が発見されたことから「大黒山海蝕洞窟遺跡」としても知られる。
昭和30年代には大いに賑わったが、冬季は客足が遠のいたため施設の維持費用などがかさみ、1960年代頃に閉業した。
水族館後の竜宮城建物は撤去されているが、一部建物が残り漁具置き場などとして利用されている。水槽が設置されていたコンクリート台や配管跡、海水の貯水槽などが残るが、無断で立ち入ることはできない。付近には案内看板が設置されている。付近には海女さんショーが行われていた建物が残り、転用されている。
「頼朝荘」は遊園地閉業後も営業を続け、比較的近年まで建物が残っていたが、解体され跡地はマンションになっている。
痕跡を残しての再利用・一部現役・一部解体等、通常の不使用状態ではありません
2023-06-12