廃船ディミトリオス号 概要・歴史
廃船ディミトリオス号(Dimitrios)はギリシャのラコニア県ギチオ(Gythio)近くにある船。
1950年にデンマークで建造された。総重量965トン、全長積載量67メートルの小型貨物船である。ピレウス県に登録されており、旧称はKlintholmであった。
比較的アクセスが容易で目立つ位置にありながら来歴が不明だったため、ディミトリオス号が座礁した理由については様々な憶測が流れた。トルコとイタリアの間でタバコを密輸しており、その証拠を隠滅するために火を放たれた、との噂もある。
元沿岸警備隊のChristos Ntounis氏が遺した著書にはより真実らしい記述が見られ、それによると、ディミトリオス号はキャプテンの病気により1980年12月4日にギチオに緊急寄港している。これにより乗組員への給与支払いが問題となり、さらにエンジントラブルや保険上の問題があった。乗組員は解雇され、1981年6月まで船はギチオに停泊していた。この間に船体に水が入り、安全上の理由から港湾当局により港の外への移動が求められた。しかし所有者の応答がなかったため、1981年11月9日に船は牽引され港の外へと出された。
その後、ドッキングロープに問題のあった船は流され、1981年12月23日にヴァルタキのビーチの現在の場所で立ち往生したという。
2019年8月時点で現存し、全体に赤茶色に錆びつき落書きのされた状態でビーチに横たわっている。
2020-06-03