錫山鉱山は鹿児島県鹿児島市（旧・谷山市錫山）にあった鉱山。錫だけを産した鉱山としては日本一であった。

1655（明暦元）年頃、八木主人佑元信が鹿追原魑魅峠（かおうばるすだまとうげ）で錫鉱を発見。私財をもって開発に努めた。

1700（元禄14）年に藩の直営となる。幕末には「十万斤」（充満金）時代と呼ばれる好景気を迎え、県内外からやってきた300人もの鉱夫が働いていた。

昭和に入り協和鉱業が経営、1979（昭和54）年には産出量は84.5トンと全国第2位の実績を誇ったが、中国のダンピングなどで錫の価格が暴落、1986（昭和61）年に閉山した。

錫鉱発見の地、封鎖された湧上坑、坑道跡、十万斤鉱床掘り跡、鉱山の神を祭った大山祇神社、女郎墓などが残る。

また錫山小中学校には、錫鉱石や採掘に使われていた道具、鉱石の破砕に使われていた石臼などが保存されている。