http://kinokoya.image.coocan.jp/pic_detailpage/g_yoichi/jinno03.html
学校の中心部に建つ棟を、正面から見た図。 完成当初は、さぞかし立派な学校だったのであろう。 しかし、使われた形跡が一切ないのは、どういうことなのか。 この建物を誰かが利用した痕跡が、皆無なののである。 最初は引越し後の清掃を徹底的に行ったのち、経年劣化して見分けがつかないのかと思ったのだが、慎重に見るとそうではなかった。 ますますわからない。 カラマツの育ち具合から換算すると、建てられてから、たぶん30年近く経っている。 こんな山中に、これほどの施設を造った理由もさることながら、今こうして放置されている理由は何故? ただ、カラマツがあちこちに育っていることから、秋になると、ここにキノコ狩りに来る人はいると思う。 秋、カラマツあるところに、人あり。 それが道民クオリティだ。
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たぶん食堂と思われる棟。 手入れはまったくなされておらず、半ば某天空の城と化しているが、不思議と窓ガラスの割れ等は目立っていない。 北海道の場合、海にほど近い場所、それも高台にある建物というのは、手入れをしないと風雪の影響で少しずつ劣化してしまう。 むろん新築で、現代の建築技術が使われており、鉄筋コンクリート造りであれば耐久力も高いため、そう簡単にはボロボロにはならないが。 しかし本体が無事でも、駐車場や道路の至る所から植物が生えており、結果的に、建ち並ぶ建築物は樹木に覆われている。 誰も使った形跡の無い新築校舎が、森の中に取り残され、異質な光を放っているのだ。
http://kinokoya.image.coocan.jp/pic_detailpage/g_yoichi/jinno08.html
食堂棟(仮称)の裏に回ってみると、また別の建物が現れた。 この建物は、規格が同一の小さな窓が横の壁面に続いているため、恐らく寮として作られたのであろう。 写真からは見えないが、後方にはもう1棟、より大きな建物が建っており、併せると、それなりの収容人員だったと思われる。 すべてが個室だと仮定し、全体が埋まった場合、目測として、300人くらいは収容可能だったのではないだろうか。 写真の正面にある玄関上2階の窓は、独特の形状をしており、曇りガラスであることから、きっと浴室に違いない。 しっかりロックされているため、入ることは出来なかったが、玄関先からガラス越しに中を覗くと、管理室と書かれたプレートが掲げられていた。 奥には理髪室や売店といった表示も見られ、やはり寮として建てられた施設なのだと確信する。 それはいいのだが、考えてみれば、ここの環境。 実際に営業し始めたら、生徒たちは、とてもとても辛いのではないか? すぐ隣が校舎であるため、確かに楽に通えるし、登校に時間がかからないのは大きなメリットではある。 しかしこんな山中で、寮と学校以外、どこにも行けず、缶詰め状態で何年も過ごすというのはいかがなものか。 教育である以上、確かに、生徒たちに集中的に勉学を詰め込む必要はあろう。 その際、雑事はなるべく少ない方が良いに違いない。 でも、自分がやれと言われたら、ちょっと辛すぎる。 この寮を見て、よほど自分の夢をしっかり持っていないと、脱走者が相次ぐかも知れない、などと得体もないことを考えてしまった。