http://www.amaken.jp/39/3910/
大阪万博の前後に、建築家・黒川紀章が手がけた「中銀カプセルタワービル」などのカプセル住宅が全国で流行した。40年ほど前に生まれたレトロフューチャーなカプセル住宅「フローラ」。過ぎ去った未来へようこそ。オシャレで未来的、そんなイメージのカプセル建築の一つに、なんと尼崎ゆかりの製品がある。尼崎で創業し、今も市内に工場を構える絶縁材料メーカー・利昌工業の「フローラ」だ。時はレジャーブーム真っ盛りの1972年、大手商社との共同開発により、その名の通り花開いたのだった。雪国の“かまくら”からヒントを得たという丸いデザインは4枚のFRP樹脂製パネルを組み合わせたもので、同社が経営する武庫川自動車学園で展示・発表が行われた。製造は滋賀工場が担当したため、厳密にはメイドインアマガサキではないが、尼崎工場を訪ねてみると、今も社員の休憩所として皆さんに愛されていた。