西村屋 概要・歴史
井上靖の小説『氷壁』に登場
西村屋は長野県松本市の商店。国道158号沿い、さわんどバスターミナル近くに位置する。
木造3階建ての古い商店で、2012年時点で長年営業していない様子である。
中央に「西村屋」の看板ああり、中央上部に「サロンパス」の、向かって左に「コカコーラ」の看板がある。また「西村屋」の看板の右端に「オリエンタルフィルム」の看板がある。
オリエンタル写真工業株式会社は、写真フィルム・印画紙等の製造および輸入販売を行なう会社で、1995年に会社更生法適用を申請し東証二部上場を廃止プラザクリエイトに買収されたが、2003年に再独立を果たしている。「西村屋」に残るブリキ看板は1970年代頃のものと推測される。
2022年8月時点で現存し、右側部分の屋根が崩落、正面ガラスの内側にも草木が茂っている。
「ナイロンザイル切断事件」を元にした井上靖の小説『氷壁』に「西岡屋」として登場している。
「ナイロンザイル切断事件」は1955(昭和30)年1月2日に登山クラブ「三重県岩稜会」の3名が北アルプス前穂高岳東壁を登攀中、頭上の岩にかけた新品の直径8 mmナイロンザイルがショックもなく破断、1名が亡くなったことに端を発したもので、ナイロンザイルの強度に問題があったことがわかり社会問題化した。またこれが小説『氷壁』に描かれたことが、上高地方面に多くの人々が訪れるきっかけの一つになった。
2023-08-11
2024-09-28