八本松隧道は、神奈川県足柄下郡真鶴町の東海道本線の廃線区間にある隧道。

現在真鶴トンネルで結ばれている東海道本線の真鶴駅から根府川駅の区間は、真鶴側から長坂山隧道、八本松隧道、赤沢隧道という三つトンネルが並んでいた。

八本松隧道は1922（大正11）年4月に竣工。当初は全長約76mだったが、1923（大正12）年の関東大震災で被災し修復された際、国府津方の亀裂が著しくこの部分が切り取られ、約56mほどに短縮した。ただしその後の改修で延長され、再び80mほどになっている。

1972（昭和47）年に真鶴トンネル（真鶴隧道）が完成し、その役目を終えた。

坑門は熱海方が石積みなのに対し、国府津方はコンクリートが用いられている。国府津方（海側）には隧道名を記した銘板がかろうじて残っている。