沼尻鉱山 概要・歴史
沼尻鉱山(ぬまじりこうざん)は福島県耶麻郡猪苗代町にあった硫黄鉱山。
安達太良山の西側斜面を鉱区としており、江戸時代には会津藩と二本松藩が権利を争った。
1888(明治21)年7月に欧米式の精錬方式が導入され採掘が活発化し、沼尻鉱山発祥の地である沼ノ平で硫黄精錬が開始される。
1900(明治33)年7月に安達太良山が大噴火。火砕流が採掘場を襲い、死者72名、負傷者10名の惨事となった。採掘事業は一時停止され、1906(明治39)年に再開された。
1907(明治40)年4月に日本硫黄株式会社が設立される。また精錬所が移設される。
1908(明治41)年より沼尻鉄道の軌道敷設が開始され、1913(大正2)年5月に川桁駅 - 沼尻駅間の全線が開通する(後の磐梯急行電鉄)。
1964(昭和39)年6月に株式会社日本硫黄観光鉄道、1967(昭和42)年8月に磐梯急行電鉄株式会社と社名変更。
1968(昭和43)年6月に閉山した。
倒壊した建物跡、放置された機器類、坑口跡などが残る。
沼尻精錬所付近には鉱山住宅、沼尻小学校、ズリなどがあったが、現在はボナリ高原ゴルフクラブとなっている。元山採鉱所付近には元山小中学校があったが撤去されている。
鉱山近辺は温泉の源泉が湧き出し、硫化水素が発生しているため危険がある。現在も重晶石などが採取できるらしい。
2017-12-09
2023-03-03