ケープ・ロマノ島の白いドーム(フロリダ州) 概要・歴史
侵食により海面上に取り残されたドームハウス
ケープ・ロマーノ・ドームハウス(Cape Romano Dome House)はアメリカ合衆国フロリダ州ケープ・ロマノ島にある白いドーム状の廃墟群。
石油で富を得たボブ・リー(Bob Lee)が、引退後の1979年から夏の別荘として建設開始、1982年に完成した。
6つの頑丈な高床式ドーム構造で構成され、互いに接続されている。太陽光発電で稼働し、雨水を濾過するシステムを備えていた。
完成から2年後の1984年、リー一家はこの家を別の家族に売却したが、その家族の財政上の理由から1987年に買い戻した。
1992年のハリケーン・アンドリューによって内部が損傷を受け、放棄された。
2005年、ボブ・リーはドームハウスをナポリ在住のジョン・トストに30万ドルで売却。しかし購入してから数か月後、ハリケーン・ウィルマの襲来にあい、海岸線が浸食され、家の土台がさらに不安定になった。
もともとはモーガン島に建てられ「モーガン島ドームホーム」と呼ばれていたこの家は、侵食によりモーガン島から完全に切り離され、ロマーノ岬から離れた位置に孤立するようになった。
2007年、コリアー郡法施行委員会は、この家が安全ではないという理由で2年以内の所有者による解体を命じたが、所有者は修理可能であると主張。2009年11月、適切な時期までに家を取り壊さなかったとして187,000ドルの罰金を科された。
2013年までに、家の周囲は6フィートの深さの海面となった。
2015年に、フロリダの歴史の一部として、ドームを水中のサンゴ礁になることができる場所に移動させる運動が開始されたが、資金を得られなかった。
2016年までに、この家の立地はモーガン島の沖合約180フィート(55m)にまで遠のいた。
さらに2017年9月、ハリケーン・イルマの打撃を受け、最西端の2つのドームが海に崩壊し、4つが残る形となった。
2018年、ドームの所有権が州に移された。