おおすごスキー場、レストハウス鷹 概要・歴史
温泉組合を混乱に陥れた借金スキー場
おおすごスキー場(大巣子スキー場)は福島県会津若松市にあったスキー場。
1988年に開業。ペアリフト2基の施設で、一番下に戻るには上級者コースを通らなければならない難しいゲレンデだったらしい。
東山観光協会・温泉旅館協同組合員の出資で設立された「会津東山リゾート開発(株)」が経営を担い、実質、温泉組合と一体の組織だった。
オープン初年から2年間に暖冬に見舞われ、売上もないに等しい状態だったが、その後もナイター証明やスノーマシンなどの投資が続けられ、オープンから6年目で14億円もの借入金を抱えていた。
その後も借金は膨らみ、その返済に伴う組合費の高騰などにより、清算を主張する御宿東鳳が東山温泉組合を脱会。これにより生じた組合内の不和などから、林地開発の完了確認申請が受理されないまま7年間も営業していたことが判明、また拡大した開発面積も事後申請であったこと、排水処理の特性施設の届け出にも不備があったことなどが明るみに出た。
雑誌『財界ふくしま』(財界21、1997年2月)には、「大揺れのおおすごスキー場で新たな無許可開発疑惑」「これでも市民スキー場と呼べるのか」の見出しが踊っている。
その後も騒動は収まらず、最終的にスキー場は1997年11月に閉鎖された。
県道325号沿いの駐車場入口にある案内板、ナイター照明の鉄塔、コンクリート遺構などが見られる。県道沿いには廃バスも放置されている。
また、林道沿いを進むとスキー客相手だったらしい「レストハウス鷹」が廃店舗として残っている。
2019年5月時点で、廃バスや案内板、関連と見られる建物跡が確認できる。
付近の大巣子集落も廃村となっているらしい。
(※参考:雑誌『財界ふくしま』(財界21、1997年2月、1993年10月))
2013-12-09
2024-04-09