下の茗温泉(したのみょうおんせん)は、富山県富山市(旧国越中国)にあった温泉、温泉施設。 下の茗....

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名称 下の茗温泉
住所 富山県富山市八尾町下ノ名
種類 廃ホテル・宿泊保養施設・温泉
富山県の廃ホテル・宿泊保養施設・温泉
スコア
★★★★★★★★ 87
現況 現存
評価 ■■■■
画像 photos 下の茗温泉の写真
動画 youtube 下の茗温泉の動画

下の茗温泉 概要・歴史

完全崩壊した室牧ホテル

下の茗温泉(したのみょうおんせん)は、富山県富山市(旧国越中国)にあった温泉、温泉施設。

下の茗温泉は1787(天明7)年3月に薬師如来のお告げによって発見されたとの逸話が残り、安政の頃には富山藩主・前田利保が湯治に訪れている。

『わらぢのあと 名勝紀行』(桑田春風、隆文館、1922年)には「湯槽一所、澡室四宇ありて、ともに八尾村の瀬戸與五郎といふ者の所有たり」とある。

1932(昭和7)年に木造3階建ての「渓畔閣」や「緑風園」「静山荘」から成り、渡り廊下で接続された室牧ホテルが建設される。下の茗温泉として言及されているのは、施設名としてはこの室牧ホテルのことになる。詩人の野口雨情も訪れたという。

『日本国勢総攬 : 市町村別 上巻』(帝国公民教育協会、1934年)には「溪畔閣と稱し巖の湯と續きて室牧川畔にあり、明朗幽遼にして奇勝に富む、殊に浴槽に至る渡り廊下は室牧川の上に架け渡し之より渓谷を望む」とあり、当時から渡り廊下が名物だった様子が窺える。

『現代展望・郷土誌』(帝国聯合通信社、1935年)には「室牧ホテルの如き近代的設備」とあり、当時の先端的建築だったことがわかる。

戦後となり、雑誌『宣伝』(綜合宣伝社、1958年9月)には「前田公ゆかりの湯治場」「室牧川の鮎釣りも一興です」の広告があり、渡り廊下の建物写真が掲載されている。

『富山のいで湯』(岡田正二、北日本新聞社出版部、1977年10月)には「右岸に和風三階の渓畔閣と緑風園。対岸に別館静山荘と浴場があり、その間を橋状の廊下がつないでいる」と記されている。

日本秘湯を守る会にも属した一軒宿だったが、1984(昭和59)年4月に一旦閉鎖される。

その後1989(平成元)年頃に薬品会社の保養所となったが、1993(平成5)年に別の経営者が引き継いで温泉を再開したらしい。

消防法により3階が使えなくなるなど、老朽化による不便が重なり、客足が遠のいたこともあって1999(平成11)年に閉業した。

その後急速に劣化が進み、2010年時点でほぼすべての窓が損壊、壁が随所で崩落、入口庇はまるごと地面に崩れ落ち、天井が落下、腐敗により全体が歪んだ状態となっている。

雪害により年々崩壊が進み、2016年時点で半ば廃材の山と化しているのが確認されている。2018年には「多数の瓦礫で本館入場は困難」とされている。

2024年10月時点でも現存するが、本館(右岸にある渓畔閣と緑風園)はエントランス付近が完全に崩壊し、その瓦礫によって接近することができない。

下の茗橋の先の左岸には浴室棟などがあるが、橋を渡った付近は雑木等で立ち居もままならず、その先も道が崩落している。渡った右側にマツダ・ポーターキャブの廃車が1台埋もれているが、近づかないとそれも視認できないほど濃い木々が茂っている。

また同地へアクセスする道も雑草雑木と落石で足場が悪く、途中にトヨタ・マスターエースサーフの初期型らしい廃車がぺちゃんこに潰れて放置されている。

下の茗温泉 画像

下の茗地蔵付近から道が伸びているが、車両は進入できない(2024年10月)
下の茗地蔵付近から道が伸びているが、車両は進入できない(2024年10月)
© 2024 廃墟検索地図 Haiken 転載禁止
道は落石や藪でずっと荒れている
道は落石や藪でずっと荒れている
© 2024 廃墟検索地図 Haiken 転載禁止
下の茗温泉
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潰れた廃車が放置されている
潰れた廃車が放置されている
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下の茗温泉
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車庫のような建物
車庫のような建物
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下の茗温泉
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電柱が残っている
電柱が残っている
© 2024 廃墟検索地図 Haiken 転載禁止
下の茗温泉
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下ノ茗橋。橋の手前奥に本館、渡った先に浴室があった
下ノ茗橋。橋の手前奥に本館、渡った先に浴室があった
© 2024 廃墟検索地図 Haiken 転載禁止
下の茗温泉
© 2024 廃墟検索地図 Haiken 転載禁止
橋の手前側(右岸)
橋の手前側(右岸)
© 2024 廃墟検索地図 Haiken 転載禁止
石灯籠
石灯籠
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本館(渓畔閣?)は完全に崩壊し、その瓦礫で進むことができない
本館(渓畔閣?)は完全に崩壊し、その瓦礫で進むことができない
© 2024 廃墟検索地図 Haiken 転載禁止
下ノ茗橋を渡った先の廃車
下ノ茗橋を渡った先の廃車
© 2024 廃墟検索地図 Haiken 転載禁止
下の茗温泉
© 2024 廃墟検索地図 Haiken 転載禁止
灯油タンクのようなものがある
灯油タンクのようなものがある
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橋を渡った左も雑木と崩落で進むことができない
橋を渡った左も雑木と崩落で進むことができない
© 2024 廃墟検索地図 Haiken 転載禁止
川に崩落した建物の残骸
川に崩落した建物の残骸
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下の茗温泉
© 2024 廃墟検索地図 Haiken 転載禁止
下の茗温泉
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下の茗温泉
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下の茗温泉全景。上が左岸の浴室棟
下の茗温泉全景。上が左岸の浴室棟
© 2024 廃墟検索地図 Haiken 転載禁止
下の茗温泉
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右岸奥の緑風園?らしい建物はかろうじて残っているが近づけない
右岸奥の緑風園?らしい建物はかろうじて残っているが近づけない
© 2024 廃墟検索地図 Haiken 転載禁止
緑風園?
緑風園?
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緑風園?
緑風園?
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渡り廊下
渡り廊下
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渡り廊下
渡り廊下
© 2024 廃墟検索地図 Haiken 転載禁止
浴室
浴室
© 2024 廃墟検索地図 Haiken 転載禁止
『越中史料 第2巻』(中越史談会、清明堂、1908年)
『越中史料 第2巻』(中越史談会、清明堂、1908年)
『わらぢのあと 名勝紀行』(桑田春風、隆文館、1922年)
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『日本国勢総攬 市町村別 上巻』(帝国公民教育協会、1934年)
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『現代展望・郷土誌』(帝国聯合通信社、1935年)
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雑誌『宣伝』(綜合宣伝社、1958年9月)
雑誌『宣伝』(綜合宣伝社、1958年9月)
『富山のいで湯』(岡田正二、北日本新聞社出版部、1977年10月)
『富山のいで湯』(岡田正二、北日本新聞社出版部、1977年10月)
下の茗温泉
下の茗温泉
2014/05 ©Google

下の茗温泉 動画

近くのスポット

下の茗温泉 ストリートビュー・空中写真

下の茗温泉 関連ブログ・参考リンク

るーんるん廃墟 - 下ノ茗温泉 | Mulsanne
http://turquois.jugem.jp/?eid=482
今回の目的地である下ノ茗温泉は、富山県道230号沿いにあるのです。えいやっと県道に入っていくと、これがまた、細い・暗い・汚いと3拍子揃った険道でして。道に苔が生えまくり。うひー。恐る恐る進んでいって、どうにか、辿り着きました。
研究余録
研究余録 リンク切れの可能性があります
http://www.geocities.jp/onbunken_1126official/official/201311.htm
2013年11月29日 沢庵は、翌17年の4月から5月にかけて、伊豆山温泉へ40日程に亘る湯治に赴きました(「私自伊豆国山ノ南走湯に、四十日計居申候」)。 . 温泉地で旅館の廃墟をこれまでにもたくさん見てきていますが、一軒宿の場合は殊に心が痛みます(歴史的温泉地の消滅、という意味に於いて)。 新たな情報がない場合でも、役所の土木課等に立ち寄り大縮尺の管内又は当該温泉地周辺の地図(多くは1万分の1都市計画ツ黴
廃墟探索(下の茗温泉) | yo-ta@のほほん日記
廃墟探索(下の茗温泉) | yo-ta@のほほん日記 リンク切れの可能性があります
http://sun.ap.teacup.com/nohohondiary/266.html
廃墟探索(下の茗温泉)」 日々ののほほん♪. あちこちネット徘徊してて気付いたんだけど八尾町にあった下の茗温泉随分前に廃業しちゃってるのよねぇ...ちょっと気になったので夜勤前の昼間にちょっと行ってきましたぁ クリックすると元の 
下ノ茗に逝ってみた! | 風旅ブログ - TeaCup
下ノ茗に逝ってみた! | 風旅ブログ - TeaCup リンク切れの可能性があります
http://wind.ap.teacup.com/kazetabi2/127.html
マイミクさんのブログで紹介されていた。下ノ茗温泉廃墟。 ちょっと時間があったので逝ってみた。 八尾も街を抜け、室牧川に沿った険道230号「正間中線」を逝きます。 市街地から3km程駆ると、もう民家さえ絶え山奥の気配。 目的地、下ノ茗 
下の茗温泉
http://classicmegu.g3.xrea.com/haikyo.simo.html
TOP廃墟も逝ってみた。下の茗温泉富山県道230でちらりとレホ゜ートした温泉廃墟を再訪。ねちっこく再探索した転んでもタタ゛では起きないおばちゃんです。2007.2.21探索同行・赤濁の切込隊長廃墟も逝ってみた。TOP
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