坪野鉱泉 概要・歴史
北陸最恐の「心霊スポット」
坪野鉱泉(つぼのこうせん)は、富山県魚津市の温泉旅館。正確には「坪野鉱泉」は温泉名で、ホテル名としては「ホテル坪野」だった。「ホテル坪○」「T野鉱泉」等として紹介されていることもある。富山県道136号坪野湯上線付近、史跡「坪野城址跡」の裏に位置する。
同地には1962年時点で建物が所在するが、現存する建物ではなく小規模な建築が2棟ほど建っている。1972年までに建物の数が増え、現存する建物も曖昧ながら確認できる。「ホテル坪野」としての開業は1970年前後と推測され、当時は現存建物の北や西にも小規模な建物が複数存在していた。
1975年時点でもそのままだが、1975~1976年に、南側の敷地にホテル併設のプール「ネッシーランド」が建設されている。
ホテルは面積3,300㎡、8階建てで、和風レストランシアターやクラブ『ダンス天国』、そば処『山里』、喫茶店『寿楽』といった飲食店があり、アジア女性による「ポリネシアンショー」と称するイベントが催されていた。浴場にはカラーテレビが設置されていたという。
営業当時は地元ローカル局でCMが放送され、5人組のハワイアン風コミックバンド『チロリンファイブ』がCMキャラクターとして登場していた。
1980年代に、プール「ネッシーランド」で小学生が死亡する事故が発生、その影響もあり経営難に陥った、と言われているが、真偽不明である。
1982年に閉業。経営者はその後に失踪したらしい。
施設跡は1988年頃までは複数建物が見られるが、「ネッシーランド」は建屋が解体されてプールが剥き出しになっている。1993年までに小さな建物1棟と現存建物を除いて解体され、プール跡も確認できなくなっている。2003年までに、現存する建物1つのみとなっている。
閉業後、暴走族等のたまり場となり、多くのガラスが損壊、大量の落書きがなされるなど、かなり荒れた状態となった。
1996年5月、「肝試しに行く」と車で自宅を出た19歳の少女2名が乗用車ごと消息を絶った「坪野鉱泉女性失踪事件」が発生。坪野鉱泉に肝試しに訪れ何らかの事件に巻き込まれた可能性があり、乗用車も発見されないままで、長らく未解決となっていた。2020年3月4日に富山県射水市の富山新港にてこの2人が失踪時乗っていた自動車が発見され、引き上げられた車の内部から複数の人骨が発見されている。
2001年には16歳の女子高生が男に「肝試しに行こう」などとここに誘い込まれてレイプされ、さらにその様子を撮影した犯人により売春を強要される事件が発生している。
2003年7月刊行の『最新 日本の心霊恐怖スポット100』に記載されており、また2007年刊行の『ニッポンの廃墟』では「北陸随一の肝試しスポット」として紹介されている。
2019年11月時点でバリケードが設置され管理されているが、近年でも暴走族等が出入りしているらしい。
この坪野鉱泉を舞台とし、木村拓哉と工藤静香夫妻の次女であるKōkiが出演したホラー映画『牛首村』(うしくびむら)が2022年に公開されると、再び心霊スポットなどとして脚光を浴び、県内外から若者らが集まる事態となった。
周辺住民などが迷惑していることから、市が観光庁の補助を受けて撤去する方針であることか2023年6月に報じられた。予定よりやや遅れる形になったが、2024年初頭より解体工事が開始されている。