千原鉱山は愛媛県西条市（旧・丹原町）にあった鉱山。銅が採掘された。

18世紀半ばにはすでに存在し、松山藩により採掘・製錬されていたと言われる。

1904（明治37）年に中江種造が取得、1914（大正3）年まで採掘および製錬を行ったが、山間部のため甚大な煙害が発生、1914（大正3）年に当地での焼鉱過程は中止となった。1919（大正8）年には鞍瀬上城谷下流に千原鉱山専用発電所が完成している。

1920（大正9）年に中江産業合資会社の経営となり昭和初年まで月産1,000～1,500トンを採掘、1938（昭和13）年に休山した。

1944（昭和19）年4月より千原鉱業の経営となり、1945（昭和20）年6月に一時休山するが、1948（昭和23）年7月に再開。1963（昭和38）年に休山した。

大規模な施設跡等は見られないが、地図位置付近に倒壊しかけた吊橋があり、その対岸に坑口が残る。国道側にも小さな坑口があるらしい。また、アプローチ上に転落した廃車が放置されている。

鉱山集落として栄えた千原集落には千原小学校があったが、1972（昭和47）年に鞍瀬小学校に統合さとなり廃校。現在は千原児童遊園、千原集会所として活用され、校舎は農具置き場となっているらしい。

また相之谷にぬける道沿いに暗渠や試掘跡などの遺構が見られるという。

『愛媛県千原鉱山層状含銅黄鉄鉱鉱床』（時津孝人、産業技術総合研究所地質調査総合センター、1961年）