立川炭鉱は佐賀県伊万里市（旧・三潴郡大川町）にあった炭鉱。

発見は1864（元治元）年に遡るという。1917（大正6）年に荻野元太郎が取得するが、借金のかたに取っただけでそのまま放置されたらしい。

1931（昭和6）年、荻野の実弟石川鉄弥が調査を開始、1932（昭和7）年9月に着炭。交通不便で採算が難しいことから、当初三菱鉱業への譲渡を模索するも、これも芳しくなかった。

その後山本・伊万里間の鉄道が開通見込みが立ったことから、1936（昭和11）年12月に大日鉱業（株）立川鉱業所として開鉱した。

1939（昭和14）年7月22日、ガス爆発により30名が死亡。1942（昭和17）年12月12日、ガス爆発により50人死亡している。

出炭量は1953（昭和28）年初頭頃で月産7,500t、従業員は682人、家族も合わせると2,000人ほどが立川に居住していた。

1965（昭和40）年に本坑を閉坑、新坑を開坑。エネルギー革命により大口の納入先であった火力発電所への売却が閉ざされたことから、1970（昭和45）年に閉山した。

本坑付近に朽ちたコンクリート建物、レンガ造りの通風坑らしき遺構が見られ、選炭場にもコンクリート遺構が残る。

ほかに記念碑などが残る。

（※参考：『大川町誌』（大川町誌編纂委員会、大川町温故知新会、1978年3月））