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北陸鉄道能美線 石川県能美市本鶴来駅~天狗山駅間 2015年4月再訪大きい地図・ルート検索 ( powered by ゼンリン地図 いつもNAVI ) 1980年(昭和55年)に全線廃止された北陸鉄道能美線。白山市に位置する北陸鉄道石川線の鶴来駅から、能美市の能美根上ネアカ゛リ駅(寺井駅から2015年3月14日に改称)に寄り添う形で設置された新寺井駅間を運行していました。 開業は1925年(大正14年)、天狗山西側の新鶴来駅(後の天狗山駅)-新寺井駅間です。 天狗山駅から鶴来駅間開業は1932年(昭和7年)ということで、7年近くずれがあります。 天狗山トンネルと、手取川橋梁も同時期竣功ということになりますね。 そんな昭和生まれながら廃線の憂き目に逢い、その役割を終えたトンネルを訪問します。 アプローチは西側からなら容易です。県道4号線からも西側坑口を見ることができます。 こんな感じです。左手から天狗山をやり過ごすこともできたのではないか、と思えるような位置関係です。 わざわざこういう場所にトンネルを穿った理由とは…? 振り返り。 鉄路の面影は全くありません。 水が出ていますが、近くまで行くことが可能です。 なかなか良い雰囲気です。 昭和生まれですから当然コンクリート製です。 天狗山トンネル、西側坑口です。 竣功は1931年(昭和6年)。当区間の開業1年前ですな。 しかしコンクリート坑門ながら面白い形をしています。特におでこ部分… 扇形の…どう見ても扁額っぽいっすよね… でも明らかに何も書かれておりません。 もともと付けてなかったのか、外されたのか… 振り返り。 県道と交差する感じで路線は伸びていたんでしょうか。 …では、内部を確認してみましょう。 おおお…非常に綺麗な洞内です。 まさにすぐ現役でも全く問題ない感じがします。まあ廃止理由が当該路線の廃線ですからねえ。 バラストは均され、ダブルトラックが見えます。 部分的に素掘りの側壁が残っています。天狗山は凝灰岩という地質のようです。 掘りやすい地...は…どうやらブレーカーみたいです。 違う場所で完全な状態のブレーカーが。 上部にある電球のスイッチかと思いますが… 廃線後に何か利用していたんでしょうか。 東側坑口が見えてきました。 …うーむ…どうやら抜けることは叶わぬようです。 ゴール寸前、突如今まで右側にあった退避坑が左側に。って、これは退避坑ではなさそうです。 正面からこの穴を見ると、左側(西側)に向けて掘られています。 左側に向いた後、すぐに行き止まりに。 どうやらここから真上に穴が続くようです。 右のカベに鉄製のステップが付いています。 ただ残念なことに、真上は瓦礫で塞がっています。 これはトンネル竣工時からあった点検坑ではないでしょうか。 位置的にこの真上は林道和佐谷線と思われます。 因みに後で林道をさらっと確認しましたがそれらしき穴は見つかりませんでした。 それはさておきの本坑…ああ…こんなんなってましたか… コンクリ壁による封鎖でございます。外気取り入れ口みたいな隙間が上部に開いていますが、あそこに行く術がありません。 閉塞地点から振り返り。 鉄道トンネルでは数が少ない素掘り面を残したままの洞内。地質的に崩落しにくいという判断なのでしょうか。 確かに安定感ありますねえ。 で…その天狗山トンネルの東側坑口はどこなのか… 実はこんな所にあります…って、え?どこ??? 植生で良くわかりませんが、真正面に開いてます。 因みに右側の穴は違います。あれは廃止された二ヶ用水の水量調節窓です。 ズームするとこんな感じ。開いてるのがわかりますね~ この天狗山、驚いたことにかなりの数の穴が穿たれています。 先程の二ヶ用水は、あの絶壁に沿うように穴を穿っています。他にも宮竹用水というのも旧と現役でこの天狗山を穿っています。上部には林道の隧道が2本。そして鉄道トンネル。その他にも石切り場の穴も複数確認できます。 wikipediaによると、凝灰岩というのは火山から噴出された火山灰が地上や水中に堆積してできた岩石。河川などの浸食に弱いが、石材としての利用も盛んなようです。 隧道を掘るのにうってつけの地質だったのでしょうか。非常に興味深いですね。用水に関してはもうちょっと調査してからいずれレポにしたいと思います。