旧袖摺トンネル 概要・歴史
1913(大正2)年に新宮~勝浦間が全通した新宮鉄道の隧道として設置された。新宮鉄道は1934(昭和9)年に国鉄に買収され紀勢中線(後の紀勢本線)の一部となっている。
新宮鉄道には5つのトンネルがあり、このうち大狗子隧道と小狗子隧道は車道用に拡幅、コンクリートで補強され国道42号のトンネルに転用、後に新トンネル開通により役目を終えている。
残る袖摺トンネル、御手洗トンネル、稲荷山トンネルは紀勢中線全通に合わせた路線の付け替えの際に廃止された。
旧袖摺トンネルは紀伊佐野・宇久井間に位置し、北側坑口は旧・松籟橋を渡った先に比較的良好な状態で現存し、内部にはひび割れや崩落が見られる。南側坑口前には坑口を塞ぐ形で建物が建てられている。
2016-04-30
2022-07-26