油戸炭鉱 概要・歴史
神子沢隧道が遺構として残る
油戸炭鉱(あぶらとたんこう)は山形県鶴岡市にあった炭鉱。
1876(明治9)年に工務省よりドイツ人技師が派遣され実地調査が行われ、1879(明治12)年6月より佐渡鉱山分局が調査。佐渡金山の製錬用燃料を採取するためだったという。
1896(明治29)年9月に佐渡鉱山と共に国から三菱合資会社に払い下げされる。1922(大正11)年1月、第一次大戦後の恐慌などの影響を受け合理化のため休鉱。
1947(昭和22)年8月、戦後の復興に伴う石炭増産のため油戸炭鉱開発事務所が設置され、翌9月から開坑に着手。同年、油戸から竹の浦まで炭鉱の私道として神子沢隧道(みこざわずいどう、通称・油戸トンネル)が開削された。
1950(昭和25)年には竹の浦の炭坑積込ポケットから羽前大山駅までの鉄道が竣工している。
1957(昭和32)年2月1日に閉山した。
遺構として、閉山後に一般道に提供されている神子沢隧道のほか、専用線の橋台跡などが残る。
神子沢隧道は1957(昭和32)年10月に起工、1958(昭和33)年7月に竣功、延長307.7m、内法高さ4m・幅4m。入口脇には慰霊碑と共に工事に関する石碑が残されている。
2017-12-09
2022-10-31