三笠市西桂沢の住宅群 概要・歴史
遺跡のように美しい発電所住宅跡
北海道三笠市西桂沢に残る住宅跡。県道116号線旧道に位置する。
付近にあった奔別炭鉱や北炭幾春別炭鉱の炭鉱住宅とも言われていたが、桂沢発電所関係の住宅跡である。
桂沢発電所が1957(昭和32)年9月に運転開始しているため、住宅もこの頃に建設されたものと見られる。1962(昭和37)年の空中写真では、桂沢発電所と住宅遺構の間の部分、現在は更地となっている土地にも住宅が立ち並んでいたことがわかる。同年の郵便区全図(幾春別局)では「発電所社宅 33戸」と表記されている。
1980(昭和55)年の住宅地図では、東側部分(現存部分)は北側が電源開発の「桂友寮」、南側が堀川林業の生産部宿舎となっており、西側(解体部分)は各戸に個人名がある他、北西角は電源開発の「桂水寮」となっている。
1983(昭和58)年になると、西側部分は電源開発の名称が残るものの他は空き家、1989(昭和64)年では西側が電源開発のみ、東側から電源開発が消えて堀川林業のみとなっている。
以上から、電源開発の職員住宅が使われなくなったのは1980年~1985年頃、堀川林業の職員住宅は1985年~1990年頃ではないかと推測される。
2003(平成15)年11月時点で西側の住宅は撤去され、東側の建物のみが残っている。
2011(平成23)年5月時点で残った建物も屋根が抜け落ちているのが確認されており、2018(平成30)年9月時点で壁だけが残り、建物内部にも植物が繁茂している。
2014-10-30
2022-02-02