ディキシースクエア・モール(Dixie Square Mall、イリノイ州) 概要・歴史
映画「ブルースブラザーズ」ロケ地
ディキシースクエア・モール(Dixie Square Mall)アメリカ合衆国イリノイ州ハーベイにあったショッピングモール。
1966年に開設、50店舗が入居した。1968年までにショップは64に増え、1970年にはディスカウント店の「ターンスタイル」が加わった。
1970年代初頭、周辺地域では貧困化が進み、いくつかの凶悪事件が発生した。1972年10月には女性が強盗に射殺され、1973年4月にはモールを襲った強盗により一人が撃たれている。1973年7月には十代の女性が三人の十代女性により連れ出され殺されている。
1976年に「モンゴメリーワードアンカー」が、1978年1月に「ターンスタイル」が閉店し、次々とテナントを失ったモールは、1975年7月に「ディキシーモール」と改称、店舗の改装を行った。しかしこれらの努力は実らず、1978年までにテナントは20店舗にまで減少。
顧客が離れた上に従業員による商品の盗難が横行し、1978年11月にモールは正式に閉店した。
1979年1月から2年間、モール跡はハーベイディクスムーア学区が新しい校舎を建設する間の一時的な校舎として使われる。「ターンスタイル」は体育館に改装された。
1979年には、ジョン・ランディス監督による映画「ブルースブラザーズ」の撮影が行われている。撮影ではモールのあちこちが実際に破壊され、その後も修復されることがなかった。この件については訴訟沙汰にまで発展しかけている。
放棄された後、1984年頃から破壊や略奪が行われるようになり、金属部品など多くが持ち去られた。この頃、1975年の改修で追加され、「ブルースブラザーズ」にも登場する大きな三角形の「ディキシー」の看板が撤去された。
1985年、モールの敷地の南西隅にあるワードオートサービスのガレージが解体され、警察署に転用されている。
これにより新しいハーベイ警察署が隣接するようになったにも関わらず、モールは1990年代初頭に多くの犯罪の温床となり、ギャングによる麻薬の売買などが頻繁に行われた。ホームレスが住み着いた他、1993年にはレイプされた女性が絞殺される事件が発生している。
1990年代の終わりまでに、駐車場跡全体に木々が茂り、2000年代半ばには、ウールワースストア内で大規模な火災が発生し、建物がほぼ焼失した。屋根が陥没したことなどにより、建物の内部にまで植物が茂るようになった。
様々な再開発の計画が立てられては頓挫した。2005年6月下旬、モールにアスベストが使用されていることがわかり、改修がさらに困難になる。
2006年2月16日、モール全体がエメラルドプロパティグループの所有となり、多くの建物が解体されが、完全には撤去されなかった。
2009年7月20日、ブロックCの入り口で原因不明の火災が発生、これにより屋根が崩壊し、旧JCPenneyビルの外壁に焦げ跡が残った。
最終的に2012年5月、モールの残りの部分が解体撤去された。