ダーリントン保護観察所 概要・歴史
泊まれる囚人収容施設跡
ダーリントン保護観察所(Darlington Probation Station)はオーストラリア・タスマニア州のマリア島にある囚人収容施設跡。
保護観察所は離島であるマリア島で1825年より運営され、150人が居住し農業や砂岩からのレンガ及び石灰の製造が行われた。ポート・アーサーに刑務所が新設されたこと、脱走が容易であったことから1832年に放棄された。
1842年に新たな施設により再開されるが、1852年に閉鎖。1880年代に残された建物をホテルに改装しブドウ畑を作る計画が進められたが頓挫した。
1920年からセメント工場や高さ60メートルになる煙突が建設され工業化が進められたが、輸送費がかかりすぎることなどから1930年には閉鎖された。
その後1960年代から同島に残された自然環境が見直され、1971年にマリア島国立公園(Maria Island National Park)が設置されると、ウォンバットやカンガルー、ワラビーなど野生動物の天国であると同時に、かつての囚人施設が残る点が観光利用されるようになった。
朝夕2回のフェリー(夏場は毎日、冬場は週に3日ほど)でしか行き来できず、入園料が必要だが、囚人収容施設跡に宿泊できる点が魅力の一つとなっている。また、巨大なセメントタンク遺構などを見学できる。
痕跡を残しての再利用・一部現役・一部解体等、通常の不使用状態ではありません
2021-10-03