カッパピアは、群馬県高崎市高崎観音山丘陵近辺にあった遊園地。「Kッパピア」等として紹介されていることもある。

第二次世界大戦後の復興政策の一環として1952（昭和27）年に行われた「新日本高崎子ども博覧会」の用地・施設を受け継ぎ、高崎市によって運営された「観音山遊園地」を前進とする。同遊園地は経営難により1960（昭和35）年に閉業するが、上信電鉄が引き継ぎ整備し、1962（昭和37）年に「高崎フェアリーランド」としてオープンした。当初は動物園も設置されており、1976（昭和51）年にはこれに代わって「お猿の国」が開設されている。

1969（昭和44）年に「高崎フェアリーランド」内に園内プール「カッパピア」が開業。「カッパピア」の名称は公募で決まったものだった。当時斬新だった流れるプールが人気となったことから、施設全体が「カッパピア」と呼ばれるようになった。カッパが浮き輪を付けて泳ぐキャラクターが看板に配され、テレビでは「待った待ってた夏休み～、カッパピアは水の国♪」のコマーシャルが流された。

「J GUIDE HOLIDAY 関東周辺遊園地ガイド」（山と渓谷社、1996年5月）には「300mの流れるプールやループスライダー、波の出るプールなどがオープンする夏季は、文字通りカッパたちの天国となる」「冬季にはアイススケート場としてにぎわう」と紹介されている。アトラクションも25種類と充実していたという。

最盛期は年間60万人以上の来客者があったが、バブル崩壊後からは入場者数は年々減少、2003（平成15）年11月30日に閉業した。末期には施設老朽化によりジェットコースターからは異音がし、お化け屋敷は仕掛け以上の怖さだったという。

閉園後に荒れた状態となり、テレビなどに度々話題とされたほか、2007（平成19）年4月発行の『廃墟本〈2〉』（中田薫、ミリオン出版）でも取り上げられている。

2007（平成19）年1月23日夜に放火と見られる不審火が発生、鉄骨平屋建て600㎡を全焼した。翌日、高崎市は高崎フェアリーランド側から土地、建物などを買収する方針を表明し、跡地を自然公園として整備するとした。

建物は2013（平成25）年までにすべて撤去され、跡地は「観音山公園」として整備されている。