磯山遊園地(磯山公園) 概要・歴史
九州で最も急勾配のロープウェイ
磯山遊園地は鹿児島県鹿児島市にあった遊園地。磯山山頂の磯山公園内に位置する。「磯○遊園地」等として紹介されていることもある。
1957(昭和32)年11月に開所した「鹿児島文化センター」の一部で、同センターは歴史博物館「尚古集成館」、子ども遊園地「お猿の国」、史跡名勝国定文化財指定の「磯庭園」、標高152mの「磯山遊園地」で構成され、総面積は12haに及んだ。
磯山の山頂駅と仙巌園(磯庭園)の山麓駅を結ぶ磯庭園ロープウェイ(鹿児島ロープウェイ)は1959(昭和34)年に開業、全長320mで、九州で最も急勾配のロープウェイだった。『時事年鑑 昭和35年版』(時事通信社、1959年)には「鹿児島ロープウェイ完成」「海抜152mの山頂より鹿児島の絶景(桜島・市街地・磯海水浴場・磯公園)が一望に眺められるパラダイス」の広告が掲載されている。
「磯山遊園地」ではゴーカートなどの簡易な遊具のほか、レストラン、花壇、展望台が設置され、ウサギやチャボが飼育されていた。「お猿の国」には屋久猿100頭余りが猿山で暮らしていた。ほかにルリカケス、トカラウマ、リュウキュウズアカアオバトなど鹿児島の動物たちが飼育されていた。
「磯庭園」は元々島津藩主の別邸「仙巌園」で、後方に磯山を備え、桜島を築山、綿江湾を泉水に見立てるもので、現在でも現役施設として公開されている。
ロープウェイは1993(平成5)年の「8.6水害」の際に安全のため運休し、そのまま再開されることなく廃止されており、「磯山遊園地」も同時期に閉業したと考えられる。
跡地は磯山公園でフェンスで囲われているが、空中写真ではゴーカートのコース跡が確認できる。かつてはロープウェイゴンドラ等も残っていたが、既に撤去されている。
(※参考:『日本動物園水族館要覧』(日本動物園水族館協会、1962年)、『遊園地事業の実態 別冊』(日本交通公社、1967年))