旧長崎英国領事館 概要・歴史
旧長崎英国領事館(きゅうながさきえいこくりょうじかん)は、長崎県長崎市にある英国領事館跡。
上海の英国技師ウィリアム・コーワンの設計に基づき、長崎市大浦町の後藤亀太郎が施工、1908(明治41)年完成した。
第二次世界大戦中は、中立国スイスの大使館が不動産管理を請け負った。
大戦後、英国政府は長崎の領事館を廃止することとし、建物を売却を決めた。原爆投下によって市内は甚大な被害を受けたが、この建物は奇跡的に軽微な被害に止まり、長崎市はいち早く歴史遺産として保存することを条件に英国政府に購入を申し入れた。しかし価格の折り合いがつず、競売にかけられることになったが、最終的に駐日英国大使の顔を立て比較的廉価で1955(昭和30)年に長崎市の所有となった。
その後は児童科学館として活用され、1990(平成2)年に国の重要文化財に指定された。1993(平成5)年からは長崎市野口彌太郎記念美術館の施設となった。
2004(平成16)年に行われた構造力等の調査で建物の不同沈下や構造クラック、煉瓦内の鉄の腐食などが見つかったため、2007(平成19)年に同美術館は移転、建物は閉鎖された。
優先的な保存修理が期待されている。
2017年から建物全体を覆うような建屋が建設されており、内部で保存・修理が行われている様子である。
痕跡を残しての再利用・一部現役・一部解体等、通常の不使用状態ではありません
2017-04-12
2021-04-06