ホテル乃利武 概要・歴史
ノリタケ・ハワイアンプール
ホテル乃利武(のりたけ)は岡山県にあったホテル。
1910年創業の老舗旅館で、1960年代に現存建物が建設され、客室数56室、収容人数250名、駐車場数200台の大型施設となった。
複数の建物が空中回廊で接続される当時の近未来的な設計で、大宴会場やホール、プールなどを備えていた。プールは「ノリタケ・ハワイアンプール」と称し、壁面に「ALOHA」の文字を掲げ、ユーモラスなイメージキャラクターやピカチュウ、ハム太郎などの絵があしらわれたカラフルなものだった。
『岡山の建築』(岡山県建築士会、1964年)には1962(昭和37)年竣工の2階建て建物の写真が掲載されている。現存建物の一部にあたるらしい。
『山陽年鑑 昭和40年版』(山陽新聞社、1964年)には「山陽路 夢のいで湯 苫田温泉乃利武へ!」のコピーで広告が掲載されている。この広告中にある空撮写真から、道路西側に複数の建物から構成される大規模施設が既にできあがっている様子がわかる。なお、道の東側にあるプールなどの設備は1965~1971年に整備されている。
雑誌『宣伝』(綜合宣伝社、1969年3月)には「新名物 温泉なべ」の広告が掲載されている。広告時評などに度々取り上げられており、この時期の乃利武がさかんにCMを打っていた様子がわかる。
『全国トラベル百科 秋編』(はとバス興業、1970年)や『山陽年鑑 昭和48年版』(山陽新聞社、1972年)に掲載の広告では「ノリタケハワイアンプール」が紹介されており、既にプールが目玉になっている。
雑誌『修学旅行』(日本修学旅行協会、1981年4月)には「自然にかこまれた乃利武は、10,000坪の庭園を擁し、大型バスは15台駐車可能です。防火設備完備」「収容人員500名」と宣伝が掲載されている。
『日本の秘湯露天風呂 北から南のはてまですばらしい温泉300選』(講談社、1986年7月)には、天然ラジューム温泉200人・大岩風呂」「桃太郎風呂」「山陽路夢のいで湯」のコピーで広告が掲載されている。
この天然ラジウム温泉や中庭の庭園が人気だったが、景気の低迷による客足の落ち込みなどにより、2013年11月29日に負債総額約9億円で自己破産を申請し倒産した。
2024年5月時点で現存し、建物外観には経年劣化の跡が目立つが、大規模な損壊等は確認できない。プール跡にはピカチュウの絵柄などがひび割れ色褪せながら残っている。
なお、岡山駅前にあった喫茶ノリタケは関連施設だったらしい。