トゥー・ガンズ(Two Guns) 概要・歴史
荒くれ者のいたアリゾナのゴーストタウン
トゥー・ガンズ(Two Guns)は、アメリカ合衆国アリゾナ州にあるゴーストタウン。
一帯は19世紀半ばに白人の入植者が入り、キャニオン・ディアブロを横断する際の休憩場所として徐々に築かれた。
1878年にナバホ族とアパッチ族が対立し、多くの人々が虐殺されている。この殺害現場が「死の洞窟」と呼ばれ残されている。
1879年から1880年にかけて、西部開拓時代の荒くれ者として知られるビリー・ザ・キッドが、この町の外れに隠れていたという。
また19世紀末に近傍で列車強盗が発生した際、犯人たちがトゥー・ガンズ近くの渓谷に金品を埋めたという言い伝えがあり、トレジャーハンターに人気がある。
町としてのトゥー・ガンズは、1922年に同地を購入したカンディフ夫妻がレストランとガソリンスタンドを建てたことに始まる。夫妻は1924年に「トゥー・ガンズ」の地名を郵便局に申請しているが、拒否されて「キャニオン・ロッジ」に改名させられている。1925年にはハリー・E・ミラーが土地を借りて、観光客向けの小動物園を開設している。クーガーやドクトカゲ、オオヤマネコなどが展示されていたという。同年、カンディフとミラーは土地の貸借をめぐって口論となり、ミラーがカンディフを射殺。ミラーの店は1929年に火災となり、その後にルイーズ・カンディフ夫人が観光客向けの店舗を構えている。翌年にミラーは土地を去り、ルイーズ・カンディフは再婚し、1934年にトゥー・ガンズ・テキサコ・サービスステーションを開設している。
1960年代後半にはモーテルや爬虫類館、新しい動物園などが設置されている。
1971年にガソリンスタンドで火災が発生、これを契機に町は衰退した。交易所、キャンプ場、古いコテージ、動物園、焼失したガソリンスタンドなど、多くの建造物跡が廃墟として残っている。