イノチャン山荘 概要・歴史
佐賀県随一の「心霊スポット」
イノチャン山荘は、佐賀県神埼市(旧・神埼郡神埼町)にある廃屋の通称。
「精神病患者用の隔離施設から逃げだした『イノチャン』こと井上さんがこの山荘に押し入り、無差別に殺人を行った」「被害者となった夫婦や子供の霊が山荘内を彷徨っている」等の噂があり、心霊スポットなどとも言われているが、根も葉もない風説の類にすぎない。稲川淳二のDVD『恐怖の現場 最終章~禁断の地 永久に、永遠に~ vol.2』(2008年)で「I山荘」として紹介されたことから、全国的に知られる存在となった。
平屋建ての宿舎と大浴場、レストラン、別棟から構成されていた施設で、付近にはオーナー宅と言われる住居もあった。
1962~1967年に山麓側(南側)のレストラン建物(現存せず)から始まり、1975~1981年に北側の宿泊施設らしい建物、中段の浴室、西側の別棟が建てられている。北側建物と南側建物は渡り廊下で接続される構造だった。
『全国観光情報ファイル』(日本観光協会、1979年3月)では「郷土料理・レストラン」の項目に毛蟹料理店として記載されている。
1985年3月に施設のすぐ南側で九州横断自動車道が開通し、おそらくはこれが要因の一つとなって閉業に追い込まれたらしい。
住宅地図では1973年に「アミューズメントパーク城原山荘」の表記があり、その後1982年までは「城原山荘」として記載されているが、高速道路建設中の1983年から「アキヤ」となっている。
閉業後の建物はしばらくは大きく変わった様子がないが、1993~1998年に急速に周囲の木々が繁茂し、建物全体が覆い尽くされている。1998年の時点で南側レストラン建物ははっきり確認できなくなっており、既に解体されていた可能性が高い。2002年になると、南側建物は明白に存在せず、北側建物と小さな建物だけが残っている。この頃には完全に廃墟状態だったらしく、稲川淳二のDVDが撮影されたのも同時期にあたる。
2006~2012年に施設東側に大きく削られた跡ができており、おそらく水路の建設工事が行われている。
2024年11月時点で宿泊棟、浴室棟、別棟は現存し、レストランとの間を繋いでいた渡り廊下も途中で途切れた形で残っている。建物はいずれも朽ち果て、特に別棟はほぼ壁しか残っていない。ガラスはほとんど残存せず、落書きなどがされている。
オーナー宅と言われている建物は、2021~2024年に起きたらしい不審火により壁だけになっている。