浦ノ崎変電所 概要・歴史
藪の奥に戦前の発電所
浦ノ崎変電所は、佐賀県伊万里市にある変電所跡。
熊本電気の変電所として1935(昭和10)年に認可取得、1936(昭和11)年に運用開始。川南工業浦崎造船所の前身となったソーダ工場およびガラス工場に電力を供給していたらしい。1950年代以降に立替工事が行われて現在の状態となったという。
1955(昭和30)年に浦崎造船所が閉鎖された後も、『工場用地立地ガイド 1975年改訂版』(日本工業立地センター、1975年)などに七ツ島工業団地の電力供給源の一つとして掲載されているが、実際は使用されることがなかったらしい。
1974(昭和49)年に廃止された。
小規模なコンクリート建物1棟が森の中に残っているが、アクセス道は濃い藪に埋もれている。外周には防空壕があり、一時避難用、長期避難用と別れていたらしい。地元の方によると、元々はすぐ横に社員寮が2棟あったという。
また付近のバス停名に「浦の崎変電所前」の名が現在でも使われている。バス停から建物までは30mほどだが、木々に覆われ道路からはまったく視認できない。
2012-01-15
2025-02-26