小馬寺(小馬廃寺) 概要・歴史
到達至難の古刹
小馬寺(小馬廃寺)は愛知県豊田市の寺院。臨済宗妙心寺派小馬寺(しょうばじ、こまでら)。山号は円通山、本尊は十一面観音。標高855mの駒山山頂付近に位置する。
役小角による開創とも伝えられ、当初は天台宗であったのが、延宝年間に臨済宗に転宗したとされる。多いときには700~800人の僧が修行し、馬の無病息災に霊験あらたかな寺としてあがめられたという。
1971(昭和46)年の矢作ダム完成によって寺を世話していた集落の大半が水没し、住職も離れ、廃寺となった。
本堂は平成に入って倒壊、2018(平成30)年時点で廃材の山のような状態となっている。庫裏が残っているが、壁面が歪みかなり朽ちている。
また、江戸末期から明治初めに建てられたとされる高さ約15メートル、ケヤキ造り4層式2階建ての山門が残る。
周囲には石垣や石階段、幹まわり約19メートルの巨木があり、江戸以前の茶わんや壺の欠片が確認できる。
林道の奥に位置し、手前400mまでなら四輪駆動車で到達できるものの、近年は道の荒廃が激しく、手前400mから寺まではオフロードバイクまたは徒歩でないとアクセスが難しい。
一時は心霊スポットや肝試しのスポットとされたらしく、建物に無数の落書きが見られる。
歴史を学ぶハイキングツアーの目的地ともなっている。
2019-03-15
2023-01-18