柏陸軍飛行場掩体壕群 概要・歴史
門柱跡が残る
柏陸軍飛行場掩体壕群は千葉県柏市にあった柏陸軍飛行場の遺構。
柏陸軍飛行場は1938(昭和13)年11月に開設。現在の県立柏の葉公園を含む柏の葉、中十余二の地区に位置していた。
立川飛行場から飛行第5戦隊の部隊本部が転営し、1939(昭和14)年には、飛行場南側の高田原・十余二梅林地区(後の柏機械金属工業団地付近)に飛行機の整備に関する訓練や教育を行う第4航空教育隊(東部第102部隊)が開設されたほか、飛行場に配備されていた飛行機や車両の整備・点検を行う補給機関として、兵営の西側に位置する八木村駒木新田(現・流山市駒木台)地区に陸軍航空廠立川支廠柏分廠が開設された。
当初は主に訓練飛行が行われていたが、戦局の悪化に伴って飛行戦隊が次々に展開し、本土空襲の本格化した1944(昭和19)年11月以降は頻繁に邀撃出動が行なわれた。
また、日本初のロケット戦闘機秋水の基地として指定され、飛行場から数km離れた田中村大室・花野井地区には地下燃料貯蔵庫が建設された。これらは秋水地下燃料庫の跡として遺構が残っている。
戦後は米軍に接収され、1955(昭和30)年に米空軍柏通信所、トムリンソン通信基地が建設されたが、返還交渉を経て1979(昭和54)年に全面返還となった。
飛行場の遺構として付近には掩体壕群跡が残存しているが、藪の中にあるため非常に分かりにくい。また再開発の進められている地域で、既に解体されている可能性もある。
また、柏飛行場の兵営施設・旧陸軍東部第105部隊の営門が、建設当時の位置のまま残されている。
2011-12-21
2021-10-18