キングズパーク精神医療センター 概要・歴史
キングズパーク精神医療センター(Kings Park Psychiatric Center)は、アメリカ合衆国ニューヨーク州ロングアイランドにあった病院。
1885年にキングス郡アサイラム(Kings County Asylum)として開院。精神病院が過密状態で人権侵害の横行していた時代に、農作業を通じて精神障害者の治療を行う画期的な施設であった。
1995年にキングスパーク州立病院(Kings Park State Hospital)となる。自給自足の生活が行われた上、発電施設も備えていた。
20世紀初頭に患者数が増大し、1930年代に方針を転換、複数の多階ビル施設が建築されることになった。著名な13階建てビル「93」が建設されたのもこの時期で、建築家ウィリアム・E・ハウガード(William E. Haugaard)による設計で、1939年に完成。「ロングアイランドで最も有名なアサイラム施設」とされ、高齢の患者や慢性疾患を抱える患者のための施設として用いられた。
第二次世界大戦後、患者数はさらに造花、1954年には9303名にも達した。当時はロボトミー手術や電気ショック療法が用いられていたが、1955年以降は薬物療法により取って代わられた。これにより患者が施設外でも生活を送れるようになったことから、大規模施設の需要が低下。患者数も減少していった。
1996年に閉鎖。
その後、不法侵入者により荒らされて廃墟化、超常現象が起きる等の心霊的な噂が立てられた。
2006年にニューヨーク州は同施設を売却。2012年から一部建物の解体が開始された。2016年から2017年にかけても解体作業が行われた。
2018年6月時点でもいくつかの建物が現存している。
ダニエル・ロバート・コーン監督による1995年の映画『Eyes Beyond Seeing』のロケ地となっており、「93」ビルが使用されている。同建物は、マイケル・D・アンドレア監督による2010年の映画『Peripheral Vision』でも使用されている。
また、元患者のルーシー・ウィナー(Lucy Winer)によるドキュメンタリー作品が2013年に公開されている。