松月亭 概要・歴史
松月亭は広島県福山市の宿泊・研修施設。宴会等も行っていたらしい。かつて大型バス駐車場だった空地(更に以前は「神勝寺食品」工場跡)付近の小高い丘上に位置する。
一日座禅堂と同様に、総合レジャー施設「みろくの里」の関連施設だったと見られる。なお、「みろくの里」自体は現役施設である。
1964年、同地近辺に既にあった来客用宿泊・接待用施設を移転し開設されたという。その後に改築された可能性がある。
2003年版住宅地図より空白となっており、この時期に閉業したものと見られる。
2019年11月現在、外見上明瞭な破損は無いが、正面玄関横の竹垣は一部崩壊し、玄関前には落葉が積もっている。また上がってくる坂道には外灯が設置されているが、すべて配線が撤去され傾いている。
竹垣裏には管理人住居と見られるスペースがあり、畳と床板が一部剥がされている。横には開け放された管理人用入口があり、来客用玄関と奥まで続く廊下が見える。
玄関には落葉が積もり、来客用スリッパが散乱している。廊下にも落葉が散乱し、台所らしきスペース、大広間らしきスペース(ここも畳と床板が剥がされていた)が見える。廊下奥からは日光が差し込んでおり、位置的に見て廊下より低く地下状に作られていることがわかる。
裏手に回ると先ほどの管理人住居に出る。やはり畳と床板が剥がされており周辺に網戸等が立てかけられている。
反対側の裏手には機械や椅子等が放置されており、一部は軒下に仕舞われている。建物の正面側に回ると勝手口があるが、ボイラーやガスボンベ、洗濯機のほか、ケースに入ったままのビール・ミネラルウォーターの瓶が置かれている。
2階は宿泊スペースとなっているようだが、窓数から見てあまり大規模なものではない。1993年の個人ブログに当物件での宴会の様子が掲載されており、入口から見えた大広間と見られる場所で催されており、背後に2階への階段が見える。またこの階段のあるスペースには備え付けの囲炉裏があったらしい。なおこの宴会には「みろくの里」の母体である神勝寺の副住職(当時)も参加している。
当物件の正面玄関には「広島文教女子大学」と記された木製看板が立てかけられている。広島文教女子大学の創設者、武田ミキ氏は開基・神原秀夫氏の末妹にあたることから、毎年4月に同地で新入生向けオリエンテーションセミナーが開催されていたらしい(なお、この通称「オリゼミ」は、現在は同敷地内のツネイシしまなみビレッジにて行われている)。
(※参考「神勝寺略史」「神原秀夫伝」)