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函館硫黄鉱山で耐火煉瓦を見る北海道函館市 硫黄は古代インド、サンスクリット語の「火のもと」の意を起因とする。地殻には0.04%含まれ、天然産出のほか硫化物・硫化水素ガスとして存在する。採掘は一般に、地下に挿入した鉄管を通して加熱水蒸気を地下鉱床に吹き込み、硫黄成分を融解し、これを圧縮空気で地上に押し上げる。硫黄の沸点は449.6℃であるが、119℃で融解膨張し159℃で粘性の高い液体となる特性を生かしたものだ。精錬は鉄製の釜で原鉱石を乾留し、精製はCO2中で再結晶させるかまたは蒸留する。乾留とは空気を遮断しながら固体の有機物である硫黄鉱石を熱分解することである。これを行うのが焼取釜である。松倉川上流に位置する本坑は、三盛鉱山とともに明治初期から稼行され、昭和19年には硫黄鉱山整備により休山へと追い込まれるが、昭和25年には資本による再整備が進み、輸送道路・鉱員社宅・鉱山事務所の整備が進む。焼取釜三基が建設され、やがて10本の坑道が掘進される。最盛期には大切坑・昭和坑・十年坑・風坑とその総延長は600mに及んだ。硫黄の市場利用は天然ゴムへの添加による強度up、亜硫酸ガスの酸化による硫酸の生成、これは肥料や爆薬、銅・亜鉛・コバルトの電解製錬など工業界で非常に重要な製品となる。ところが前述の重油精製時の回収硫黄の発生により、硫黄の鉱山採掘の意義がなくなり、昭和30年後半には閉山へと追い込まれる。今回は鉱床図一枚から標高や旧林道を頼りに、位置を机上特定し、あとは現地を歩いてみようと、函館山中に潜ってみた。煉瓦・ズリ山・焼取釜・・・( ̄u ̄;)鉱床図トップページへ