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廃墟とは
廃墟とは一般に、建物や施設、集落などが使われないまま放置され、荒れ果てた状態になっているものを言います。
廃墟検索地図は、印象的な使われていない施設、歴史遺構、産業遺産、軍事遺構、近代建築、朽ちた味わいのある建築物などを幅広く取り上げ記録するアーカイブ・データベースです。扱っている物件のすべてが狭義の廃墟に該当するわけではありません。
かつてより廃墟は芸術的モチーフとされ、18世紀から19世紀にかけてドイツのカスパー・ダーヴィト・フリードリヒ、イタリアのジョヴァンニ・バッティスタ・ピラネージらの画家にも取り上げられてきました。
日本でも1970年代より廃線マニアと呼ばれる人々がいたとされますが、1980年代ごろのレトロの流行と共に、廃墟への関心が高まって行きました。
1986年には宮本隆司が、ベルリン大劇場や中野刑務所など国内外の歴史的建造物が解体される様子を捉えたモノクロ作品で、個展「建築の黙示録」を開催します。二年後の1988年に写真集『建築の黙示録』として纏められると、廃墟の美的価値に注目が集まりました。
1990年代に入ると、1993年には丸田祥三が『棄景―廃墟への旅』を出版、1998年には小林伸一郎が『廃墟遊戯』を刊行し、いずれもその後シリーズ化されることになります。バブル崩壊も相まって、昭和期の建築の廃れゆく姿が人々の心を捉えたのでしょう。廃墟となったバブル期の豪奢な施設、ノスタルジックな廃校、病院跡や鉱山跡などを訪ねて周る廃墟マニアが増えていき、2000年代前半には廃墟ブームとなりました。
近年、廃墟ブームはさらに広がりを見せ、軍艦島をはじめとした人気の廃墟は観光スポットとなり、観光ツアーが企画されて多くの人々が廃墟を訪れる現象が起きています。また、映画等のロケ地として活用されたり、コスプレファンなどが非日常的な撮影場所として利用する例も見られます。
一口に廃墟と呼ばれるものでも、歴史的建造物として保存されたり観光スポット化している場所もあれば、管理が行き届かず荒廃の進んでいる物件も見られます。
本サイトでは、遺構の社会的位置づけや保存状態、保存の意図の有無に関わらず紹介しており、廃墟と呼ぶには相応しくない歴史遺構・産業遺構・近代建築等も含まれています。一方で、現役営業中のB級スポットやいわゆる「昭和スポット」で廃墟ファンに人気のあるものを、廃墟ではない旨おことわりの上ご紹介しています。当サイトに記述のあるすべての物件が、狭義の廃墟に該当する訳ではありません。
本サイトは、極めて広義の「廃墟」的要素の見られるもの、「廃」的美を有するものを共有し、これらの歴史的・文化的・美的価値を鑑賞することを目的としています。
すべての物事はうつろいゆくもので、華やかな場所も時に廃れ行くのが自然の摂理ですが、その中には先人たちの足跡が残されています。今現在不使用となった施設等も年輪の如くその地の来歴を刻むものであり、史跡等と同等に地域の歴史的深みを示し、価値を高めるものでしょう。
廃墟はその性質上、取り壊し・解体される運命にあるものがほとんどです。産業遺産として高い歴史的価値を有する物件でも、残念ながら解体の憂き目にあうことは珍しくありません。
また、一時的に使用されていない物件が、その後再利用・再建されることももちろんあります、その場合、過去の一時期に不使用状態であったことは何ら不名誉なことではありません。
本サイトには既に解体された物件、再利用された物件も収録されていますが、これは先人の足跡を記録し、地域の思い出を共有し敬意をもって愛好・鑑賞しようとするものです。
原則として極力情報をオープンにする当サイトの姿勢について是々非々の見解が考えられますが、時代状況やテクノロジーの発展を鑑みれば同様の情報公開を行うこと自体は難しくありません。悪意をもった公開に先立ち、配慮ある良心的姿勢を積極的に打ち出し共有することこそ、朽ちゆく遺構の健全な愛好に繋がると考えております。
廃墟鑑賞の注意点
廃墟の多くは私有地に所在します。無断侵入や破壊行為、物品の持ち出しは違法行為であり、処罰の対象となります。特別な許可の得られた場合を除き、GoogleMaps等から仮想的に鑑賞することを強くお薦めします。
現地を訪れる場合には、公道上より外観のみを見学し、複数人で訪れて騒ぐ等、地域の方々の迷惑になるような行為は厳に慎まれるようお願い致します。
承諾を得て立ち入ったとしても、年代の古い建造物の壁や天井部分などにはアスベスト(石綿)が使用されている場合があり、崩落した箇所から飛散する可能性があります。崩落そのものの危険もあり、床の踏み抜き等による事故も発生しています。
人里離れた廃村・崩落の危険がある廃道などには遭難等の危険もあり、十分な経験と装備を持った人以外は、軽々に近づくべきではありません。
また、いわゆる廃物件の一部には「心霊スポット」などとされる箇所がありますが、当然ながら、こうしたオカルト的噂は事実無根のものです。肝試し等に安易に利用することは絶対に控えるようお願い致します。
くれぐれも法とマナーを守り、安全に留意し、地域への敬意と気配りをもって鑑賞頂けますよう、強くお願い致します。
廃墟検索地図の使い方
地図と分類
「地図内の廃墟検索」で検索できます。廃墟種別等を指定して絞り込むことができます。
スコア
各物件に付いている★★★はネット上での言及数などを元に独自のアルゴリズムによりスコアリングしたものです。概ね、知名度の高いものがハイスコアです。★>★>★の順に高い値を表しています。おおよその目安としてお使い下さい。
地図上で検索する場合、一度に表示できる件数は限られており、スコアの高いものから優先して表示するため、有名物件を優先して探したい時は広域表示、逆にマイナー物件を細かく探したい時はズームして下さい。
なお、地図からの検索以外に廃墟詳細検索から文字列で検索することもできます。
評価
物理的な崩壊度、外観等の美的価値などを元に5段階に評価し、■マークにより表示しています。
現況
物件は以下のように分類されており、地図下のチェックボックスをチェックし検索することで絞り込むことができます。
- 現存
- 不使用状態で現存する
- 改装転用
- リニューアル後の別施設に転用等、原形を留めないリニューアルなど
- 解体
- 跡形もなく解体されている
- 他
- 廃な味わいを持つが一部現役、転用されているが一部に遺構が見られる、一部が解体など
ただし、廃物件は変転が激しく、必ずしも最新の状態を反映しているとは限りません。また、「珍スポット」枠の物件はこの値に関わらず原則として現役施設です。廃校にも集会所等として利用されているケースがまま見られます。
地図の詳しい操作
物件名の横に表示される
また
地図下の
地図上を右クリック(ロングタップ)するとその地点の緯度経度と「この場所をGoogleMapsで開く」のリンクが表示されます。
地図左の
ご利用上の注意
地図や位置情報の精度、物件の現況については、当サイトでは一切保証致しかねます。当サイトのご利用により発生したいかなる問題についても、一切責任を負いません。
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